1,4-ジオキサンは、2004 年に設定された水道水質基準項目で発がん性の疑いのある物質とされており、2012年には排水規制化が見込まれています。強力な酸化力により分解する促進酸化法が唯一の除去方法といわれていますが、この方法にはエネルギーを大量消費するというデメリットがあります。当社は、大阪大学で発見した特殊菌*を閉じ込めた担体を用いて、排水中に含まれる1,4-ジオキサンを少ないエネルギーで分解する排水処理システムを開発しました。本システムを1,4-ジオキサンを含む工場排水の処理に適用することで、水環境問題とエネルギー問題に貢献することができます。
![[写真]ジオキサン処理実証試験装置](/csr/development/image/dev_002.jpg)
![[写真]担体(寒天状のかたまりのようなもの)が流動する様子](/csr/development/image/dev_001.jpg)
世界的な水不足問題の解決をめざし、海水から飲料水を製造するRO膜*1を用いた世界最大級の海水淡水化システムの研究・開発を行っています。単純な大型化だけでなく、従来のシステムに対して、製造飲料水量あたりの電力使用量の低減、化学薬品使用量の削減のほか、新規施工法および膜交換メカによる作業員の労力半減や配管の合理化などを目標にしています。国家プロジェクト(NEDO*2 委託事業、最先端研究開発支援プログラムMega-ton Water System*3)へも参画しながら、日立グループの力を結集して慢性的な水不足に悩む国々の人の生活の質の向上に取り組んでいます。
![[写真]大型RO膜実験ユニット](/csr/development/image/dev_003.jpg)
石油資源の発見が減少していく中、枯渇油田の原油回収率を高める(EOR:Enhanced Oil Recovery)ため、油田に高圧ガスなどを注入する方法の適用が増加しています。EORに使用される高圧遠心圧縮機では、ロータ振動が不安定化する恐れがあるため、安定性の予測と評価が重要です。今回、安定性の計算方法とその妥当性を評価する測定技術を開発しました。開発した技術では、電磁石式加振器*により高速回転中のロータを加振し、非接触で安定性を測定します。本技術は高圧遠心圧縮機の安定した運転につながり、石油資源の有効活用に大きく貢献します。
![[写真]電磁石式加振器](/csr/development/image/dev_004.jpg)
Liイオン電池製造工場で必要なドライ空調設備は、低湿度環境を構築するための除湿機の消費エネルギーが大きいことが問題となっています。製造ラインでは再利用できる低湿度空気の排気があることに着目し、排気を順次カスケード利用する技術と、除湿性能を制御する省エネ運転技術を開発しました。本システムは、排気空気のカスケード利用を行うことで送風量の削減を図るとともに、製造ライン向けに除湿機の能力変化条件をデータベースとして持つ運転制御演算装置による風量制御技術を組み合わせることで、消費エネルギーを大幅に低減し、除湿機の運転動力を約30%削減(当社比)することが可能となりました。
![[図]Liイオン電池製造ライン向け省エネドライ空調システムの概要](/csr/development/image/dev_005.jpg)
IT 機器からの発熱量の増大が進むデータセンタでは、サーバ室内に空調機を多数設置しており、その空調消費エネルギーの削減が課題となっています。同時に、空調機設置面積の増大はIT機器設置面積の減少問題をもたらしています。そこで、サーバラック上部の空間を有効利用する冷媒自然循環式天吊型冷却ユニットを開発し、限られたサーバ室のスペースに多数のIT機器を設置できる省エネデータセンタの構築を可能にしました。本ユニットを用いたシステムは、熱搬送に動力が不要な冷媒自然循環原理を採用することで一般電算機用空調機に比べて省エネ60%を達成するとともに、冷却ユニットを天井に設置することでIT機器設置面積を最大20%(当社比)拡大できます。
![[図]データセンタ向け省エネ空調システムの概要](/csr/development/image/dev_006.jpg)
製品ライフサイクルコストの低減と診断サービスの向上を目的に、インターネットを経由した遠隔監視を実現するクラウド型診断サービス技術の開発に取り組んでいます。診断ツールを当社サーバに集約し一元管理、保守を行うことでサービスの低コスト化と、運転データの大量蓄積による診断ノウハウの向上、震災などでのデータ喪失防止を実現します。クラウド型サーバ(仮想サーバ)は、ソフトウェア上でシステム規模を調整できるため、従来のお客様サイトに物理サーバを設置するシステム構成に対し、スモールスタートが可能です。そのため、ビジネスの拡大に合せたサーバ運用が可能となり、無駄な電力消費を抑えることができます。
![[図]クラウド型診断サービスの開発](/csr/development/image/dev_007.jpg)
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