2008年3月28日
株式会社日立プラントテクノロジー
日立プラントテクノロジー(本社:東京都、社長:住川 雅晴)は、再生医療関連施設向け空調設備の設計支援ツールとして、ファンやダンパ等の圧力制御機器の動作特性や、ドアの開閉、空調機の運転切り替え等に伴って発生する室内の圧力変動をモデル化し、空調ダクトでつながっている複数の部屋の圧力変動の連動についてもパソコン画面で解析が行える再生医療向け「圧力シミュレータ<セルメディカルデザイン>」を開発しました。
当社の松戸研究所(千葉県松戸市)における実証試験では、本シミュレータの解析値と実測値の誤差が±5Paであり、高精度の解析が行えることを確認しています。
当社では、本シミュレータを再生医療関連施設における圧力制御の設計検討等に積極的に活用するとともに、既に開発済のユニット型の「再生医療向け細胞調製施設<セルメディカルキューブ>」の拡販も積極的に行い、再生医療分野の受注拡大につなげる方針です。また、本シミュレータは、精密な圧力制御を必要とするバイオ関連施設や病院向けの設計支援ツールとしても活用していきます。
再生医療関連施設では、細胞や細菌等のコンタミネーション(汚染・混入)を抑制するため作業の目的に応じて複数部屋があり、隣接する部屋や共有スペース間は管理レベルに適した圧力差(15Pa程度)を維持することが大切です。
しかし、空調設備の設計時に圧力解析を適切に行えない場合、ドアの開閉や空調機の運転切り替え等により室内の圧力が想定以上に変動し、コンタミネーションを発生させる恐れがあります。また、各部屋は空調ダクトでつながっており、ひとつの部屋の圧力変化が他の部屋の圧力に影響を及ぼすため、室内の圧力変動の予測や適切な圧力制御の設計は非常に困難でした。
そこで当社では、これらの課題を解決する「圧力シミュレータ<セルメディカルデザイン>」を開発しました。
本シミュレータは、化学プラントのガス管路系解析等で用いられる流動解析手法「ノード・ジャンクション法*」をベースとし、複雑な構成の空調設備における圧力変動のシミュレーションがパソコン画面上で容易に行えるソフトです。部屋を「ノード(節点)」、ダクトやダンパ等を「ジャンクション(接合点)」と呼ばれるブロックで表し、このブロックを画面上に配置して各ブロック間の入出力を線でつなぐことによってシミュレーションモデルが作成できます。これにより、多数の部屋から構成される複雑なケースでも、ノードとジャンクションの組み合わせで容易にモデル化でき、部屋間の相互作用を考慮した設備全体の圧力変動の予測が可能となります。
このシミュレータの最大のポイントは、当社の長年にわたる経験とノウハウをもとに、圧力制御機器(ファン、ダンパ等)の動作特性や、ドアの開閉、空調機の運転切り替え等に伴う複雑な圧力変動をモデル化したことです。圧力制御機器については、風量・圧力の特性だけでなく、制御の応答性といった動特性までモデル化しました。また、ドアの開閉については、部屋の容積やドアの開閉速度による違いも詳細にモデル化しました。これにより、誤差が±5Pa(当社実験値)という高精度の解析を可能としました。
以上